こんにちは、くれあです。
この記事では高校までに習う数学と
大学で理系の学科で学ぶレベルの数学の違いをお話しします。
さらに大学数学を学ぶコツも紹介します。
これから高度のレベルの数学を学びたいという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
私自身、大学数学科→大学院数学専攻を卒業してます!
経験談から大学レベルの数学の学習をスムーズに学習できるコツを紹介します!
高校数学と大学数学の違い
高校数学は道具の使い方を学び、
大学数学は道具の仕組みを学ぶ。
私たちは車を運転できるようになるには教習所で運転のいろはを教えられます。
ただ、なぜアクセルを踏むとスピードが上がるのか、
ブレーキをかけると車を止めることができるのか、というところまでは勉強しません。
このように運転する方法を学ぶのが高校数学で、
何故車が動いたり止まったり操作できるのかを学ぶのが大学数学のようなものと思っていただければOKです。
例えば、数学IIIの極限でこのような計算を習います。
$$\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}=0$$
高校では何となくグラフを見て「こう計算するよ」と教わり
他のさまざまな極限に関する公式を習い、計算問題などを解いていきます。
ただ、それらの極限の公式に関して厳密な証明はありません。
そこで大学の数学科ではこの極限がなぜ公式で習ったような計算ができるのか
定義に従って証明することを考えていきます。
ちなみに極限の定義は以下です。
極限(\(ε-N\)論法)
数列\(\{a_n\}_{n=1}^{\infty}\)が収束するとは,任意の\(ε\)に対して,以下を満たす\(N\)が存在することである:任意の\(n\geq N\)に対して
$$|a_n-α|<ε.$$
何だか難しそうな感じですが、この定義に沿って\(\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}=0\)のような計算を証明していきます。
長くなってしまうのでここでは省略しますが、
気になる方はこちらの動画を見ていただければと思います💦
「任意の」や「ある」など高校までではあまり慣れない言い回しもあるので余計難しく感じるかもしれませんね。
さらに、高校数学では時間内に計算してある値を求める問題が多かったので
それが好きだったという学生は、大学に入学して証明中心の大学数学に触れると
余計ギャップを感じることでしょう。
(正直大学に入って落ちぶれてしまう数学科の同期も少なくありませんでした…^^;;)
高校数学 | 大学数学 |
計算中心 | 証明中心 |
具体的 | 抽象的 |
大学数学を学ぶコツ
数学科で学んだ経験から私が思う大学数学で躓かないコツを紹介したいと思います。
たくさん本を漁る
課題として出された問題はどれかしらの本に載ってることが多いです。
証明する問題は有名な命題のものもあったりして、それがまるっと課題として出されたすることもあるからです。
専門書はそこそこお値段もするので大学の図書館を活用すると良いでしょう。
数学に関しては市立の図書館よりも充実していると思います。
同じ分野の本を何冊も比べてさっとでも良いから読んで、
まずは自分が分からないところを解決するためだけに辞書代わりに活用します。
(真面目に全部最初から1ページずつ読むと挫折します)
その中で「これ分かりやすいな」と自分が気に入った本や
図書館で手に取る頻度が高い本は買っても良いかもしれません。
友達と議論し合う
これは高校数学まででも、他教科にも言えることでしょう。
説明し合うことで自分の理解力も深まりますし、
友達にとっても同じ効果があってプラスになってお互いメリットがあります。
大学数学で躓いてしまった学生で課題のコピペがよく回ってました。
(凄いことに先生が誰のコピペが回っているのかまですべて見抜いてバレてましたが…)
もちろんコピペは意味がありません。
早く解こうと思わない、何日かけてもいいからじっくり考える
個人的には大学数学は高校の数学のテストのように
時間内で計算するフェーズではないように思います。
高校時代のように早く導きたいと思ってもうまくいかないことの方が多いです。
証明が多いこともありギャップを感じ躓いてしまいます。
そこで、早く解けるわけがない!と思い一段ずつ誠実に数式に向き合うことが大事です。
本を読んだり友達と議論しながらじっくり数式と向き合うのを楽しみましょう…!
上記の方法でも問題が解決できなかった場合
一週間かけて解決しなければ、先生やTA(Teacher Assistant)に聞くといいでしょう。
個人的には大学2年生までのレベルなら
一週間一生懸命考えると理解できたことが多かったですが、
本を漁ったり友達と議論しても分からなかったことも多かったです。
そういう時はやはり先生方に聞くといいでしょう。
できればやっておくと良いこと
高校のうちに大学数学に触れておく
高校時代は大学受験と入学準備などで予習をする暇はないかもしれませんが、
少しでも大学数学がどんなものか予め見ておくとギャップでショックを感じることも抑えられると思います。
私も大学受験が終わってから大学入学までに
いくつか大学数学に関する本を読んで予習して他ので大学の数学科の勉強も楽しめました(^^)
以下の本が特におすすめです!
「すべての」「ある」をはじめに、大学数学に出てくる言い回しや記号などを
とても丁寧に解説してくださっています。
他にも大学数学を学び始めるのにおすすめの本をこちらの記事でも紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
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